エマニュエル・トッドの『西洋の敗北』を読んで

2024年11月10日に第一刷が発行されたエマニュエル・トッドの『西洋の敗北』を5月に読みました。著者は1951年生まれのフランスの歴史人口学者・家族人類学者です。たいへん読み応えのある一冊ですが、日本のTVや新聞で見聞きする内容とは違った斬新な切り口で世界で今起きている出来事を分析しています。過去の出来事の分析もさることながら、2025年以降世界でこれから起きるであろうことも予測しています。この本は予言書といってもよいかもしれません。是非一読をお勧めします。

トッドはこの本の中で現在の西洋文明が深刻な危機に直面しており、その衰退が歴史的に不可逆的なものであるという見解を論理的かつ大胆に展開しています。彼はアメリカとヨーロッパ、特にアメリカが主導してきた戦後世界秩序が崩れつつあり、それは単なる国力の衰えではなく、知的、道徳的、政治的、社会構造的な総体としての「文明の敗北」であると捉えています。トッドがアメリカ人、イギリス人ではなく、フランス人であるがゆえにここまで大胆な分析ができたのではないかと思います。

以下に要約します。

ウクライナ戦争が暴いた「西洋の限界」

トッドは、ロシアのウクライナ侵攻とそれに対する欧米諸国の反応を、単なる地域紛争ではなく、「西洋文明の崩壊」が露呈した象徴的な出来事として分析しています。西側諸国は、ロシアを経済制裁や国際的孤立で追い詰めようとしましたが、ロシアは予想を超えて耐え抜いており、むしろ制裁は非西洋諸国との結びつきを強化する契機となったと論じています。

欧米は、「正義」「自由」「民主主義」といった普遍的価値を掲げてロシアに対抗しましたが、実際には西側の価値観そのものが世界の多くの国々で受け入れられていない現実が浮き彫りになりました。トッドは、西洋が自らの価値観を世界に押し付ける過程で、かえって国際的信頼を失い、自滅的な孤立へと向かっていると警告しています。

経済的・軍事的衰退と構造的な行き詰まり

アメリカとヨーロッパが主導してきた「リベラル経済モデル」は、1980年代以降のグローバル化によっていったんは成功したかに見えましたが、現在では深刻な格差、産業の空洞化、中産階級の崩壊を招いていて、トッドは、経済の金融化と実体経済の乖離がもたらした不安定さも問題視していて、かつての製造業主導の健全な資本主義が失われたことを憂いています。

軍事面でも、欧米諸国の力はかつてのような圧倒的なものではなくなっていて、アフガニスタンやイラクでは介入失敗に加え、ウクライナ戦争でも決定的な影響力を発揮できていないと考えています。

知的・道徳的退廃と「民主主義」の変質

トッドは、現代西洋の最大の問題は「知的退廃」であると述べています。自由な言論や多様性の尊重を掲げながら、実際には反対意見を排除し、イデオロギーの統一を強制する風潮が強まっている。とくに大学、メディア、SNSなどにおける自己検閲や「キャンセル・カルチャー」は、本来の民主主義や自由主義の精神を損ねていると考えています。

このような状況は、表面的には「リベラル」とされますが、実際には新たな形の全体主義であり、言論の自由や個人の尊厳をも脅かしているとトッドは断じています。彼は、民主主義が形式だけのものとなり、実質的には民意や多様性が軽視されるようになっていると批判しています。

家族構造と教育制度から見た文明の変化 

トッドの分析の特徴は、歴史人口学と文化人類学的視点から社会の深層構造を読み解く手法にあります。本書でも、彼は西洋社会の家族制度の変化や出生率の低下、教育制度の崩壊に注目しています。

とくに教育制度については、かつて西洋が持っていた知的エリート層の質の低下と、一般大衆の教育格差の拡大が深刻であり、それが民主主義の土台を揺るがしていると警告しています。 知識や情報が過剰に流通する一方で、真の理解力や批判的思考力が失われているというのがトッドの危機感です。

非西洋の台頭と多極化する世界

トッドは、現代世界を「脱西洋化」のプロセスとして捉えていて、中国、ロシア、インド、イスラム圏、アフリカ諸国などが、かつての西洋一極支配から脱却し、それぞれの価値観と制度を持った独自の発展を遂げつつあると論じています。

西洋はこれを「民主主義対専制主義」「善対悪」といった単純な枠組みで理解しようとしますが、それは自らの衰退を直視したくない心理的防衛に過ぎず、トッドは、今後の世界が多極化し、複数の文明が共存する秩序に移行していくと予測しています。その過程で、西洋がかつてのような「普遍的基準」ではなく、一つの「地域的文明」として位置づけられる時代が来るというのが彼の見立てです。

最後に日本語版のあとがきに衝撃的な予言がされています。これはあくまでもトッドの予言ですが。

トッドの予言

ウクライナは、ロシア語話者であるだけでなく自らを「ロシア人」とみなすクリミアとドンバスの住民たちを含めた「すべての領土の奪還」という目的を果たすことはできないだろう。将来の歴史家は、ロシア系住民を服従させるというキエフ政権の計画を、西洋による侵略戦争の一例として振り返ることになるだろう。

又、実際に手にとって読んでいただくとこの本の中に記載されている数字の中には大変興味深い貴重なものがあります。私がずっと疑問に思っていた何故ドイツは日本を抜いてGDP世界第3位になったのか?がこの本の中の数字を見てよくわかりました。この本のPage 186~187にその答えがあります。

何故ドイツは日本をぬいてGDP世界第3位になったのか?

日本と同様に、低出生率がドイツを衰退へと導くはずでした。しかしそうはなりませんでした。ドイツの人口 は、2011年の8,032.7万人から2022年には8,435.8万人への約400万人増大しています。帰化した人も含めてドイツ国籍の人口は2011年の7398.5万人から2022年には7203.4万人へと約200万人も減少しています。しかし、ドイツの外国籍の人口は、2011年の634.2万人から2022年には1,232.4万人へとほぼ倍増、600万人も増大しています。人口がドイツのGDPを大きく引き上げた訳です。

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disseminateとspread

disseminateとspread

disseminateとspreadはどちらも「広める」という意味ですが、ビジネス英語では少し違った意味があります。

disseminateは、情報や知識などをより意識的、計画的、組織的に展開する場合に使われます。ニュースや社内の公式なやりとりなどフォーマルな文脈でよく使われます。

一方、spreadは、より広範囲に、自然に広がる様子を表す場合に用いられ、情報や噂、病気などが広がる場合などに適しています。

先日もこんなやりとりがアメリカのパートナー企業とありました。

Thank you for the meeting yesterday, and for sharing the presentation. I will review and disseminate with the team.

昨日は打ち合わせ、そしてプリゼン資料を共有して頂きありがとうございました。内容をレビューしチームに展開させて頂きます。

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アメリカの大きな変化②(Affirmative Action廃止)

Affirmative Action(アファーマティブ・アクション)とはなんでしょうか?

Affirmative Actionは、アメリカの公民権運動の影響を受け、1961年にジョン・F・ケネディ大統領が発した大統領令10925号によって初めて導入されました。

この大統領令は、連邦政府の契約企業に対し、「人種、肌の色、宗教、国籍を理由に差別しないこと」を求め、さらに「積極的に差別を是正する措置(affirmative action)」を講じるよう義務付けました。

その後、1965年にはリンドン・B・ジョンソン大統領が大統領令11246号を発し、連邦政府機関や請負企業に対し、雇用における差別を禁止し、積極的に人種的マイノリティや女性の雇用機会を確保するよう指示しました。

この流れの中で、大学入試においてもアファーマティブ・アクションが導入され、特に人種や性別による差別の歴史的な不平等を是正するために、黒人やラテン系などのマイノリティ学生に有利な措置が取られるようになりました。

アファーマティブ・アクションは何十年にもわたって論争の的となり、特に大学入試における人種考慮が「逆差別」にあたるとする批判がありました。

そして、2023年6月29日、アメリカ合衆国最高裁判所は「Students for Fair Admissions v. Harvard」および「Students for Fair Admissions v. University of North Carolina」の判決において、大学入試での人種考慮を違憲とする決定を下しました。

これにより、アメリカの大学におけるアファーマティブ・アクションは事実上廃止されました。

この判決により、大学は入試での人種的優遇措置を撤廃せざるを得なくなり、特に黒人やヒスパニック系の学生の入学率に影響が出ると懸念されています。この件について大統領令をまとめますと以下の通りとなります。

  • 導入: 1961年(ケネディ政権の大統領令10925号)
  • 拡大: 1965年(ジョンソン政権の大統領令11246号)
  • 廃止: 2023年6月29日(最高裁判決で違憲判断)

この廃止により、アメリカの教育や雇用における人種的平等の確保が今後どのように変化するのかが注目されます。

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アメリカの大きな変化①(Roe v. Wade判決覆る)

2024年度ハーバード大学卒業式で、首席卒業生のシュルティ・クマールさんが「知らないことの力」をテーマにスピーチを行いました。クマールさんは、「知らないこと」を弱点ではなく、成長と共感のための機会と再認識し、不確実な状況の中で開かれた心と他者を理解しようとする姿勢の重要性を強調しました。

ご興味のある方は以下のURLをクリックしてご視聴ください。

このスピーチの中で彼女はアメリカで最近起きている大きな変化①中絶権の廃止、②アファーマティブ・アクションの撤廃を引用しています。

今年1月20日に第二期トランプ政権はスタートしましたが、このクマールさんのスピーチを聞いて改めて思いました。

トランプ大統領の当選を待たずに、実は既にアメリカは民主党のリベラル主義から共和党の保守主義へ移ってきている

ということです。

このブログではこの大きなアメリカでおきているこの2つの変化について、このクマールさんのスピーチの中で引用されているRoe v. WadeとAffirmative Actionという英語を解説いたします。どうぞお付きあいください。

アメリカで起きている大きな変化①

このクマールさんのスピーチの中で引用されているRoe v. Wadeとは一体何でしょうか?

Roe v. Wadeとは1973年にアメリカ合衆国最高裁判所が下した歴史的な判決で、女性の妊娠中絶の権利を合衆国憲法の下で認めたものです。この判決により、中絶が個人のプライバシー権の一部として保護されることが確立され、多くの州で厳しい中絶制限が撤廃されました。

しかし、2022年6月24日、最高裁は「Dobbs v. Jackson Women’s Health Organization」の判決により、Roe v. Wade を覆しました。

これにより、中絶の権利は連邦レベルではなく、各州が独自に規制できるようになりました。この決定の影響で、多くの州で中絶禁止または厳格な制限が導入されました。

中絶の権利は2024年のトランプ対ハリスのPresidential Debateでも討議のひとつとなりました。

ハリスはトランプに対してトランプは中絶の権利反対論者であるという前提で討論をしかけましたが、トランプは中絶の権利は連邦レベルではなく、各州が独自に規制すべきであると2022年の最高裁の判決と同じ立場であることを主張し、討論はそれ以上進みませんでした。

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ノーベル賞の原資について調べてみました。

2024年12月10日に日本の被団協(日本原水爆被害者団体協議会)はノルウェーのオスロで行われた受賞式でノーベル平和賞を受賞しました。日本がノーベル平和賞を受賞するのは1974年の佐藤栄作元首相以来、50年ぶりです。

この機会にノーベルが生み出したノーベル賞の原資はいくらで、現在どのように運営されているかについて調べてみました。

アルフレッド・ノーベルがノーベル賞の資金として遺した遺産は、当時の価値で約3100万スウェーデンクローナでした。この金額は今日の価値に換算すると、約2億スウェーデンクローナ(約20億円)です。ノーベル財団はこの遺産を元手に資産を運用してきました。

財団の最新の財務報告(2023年時点)によると、運用されている総資産額は約58億スウェーデンクローナ(約850億円)で、この資産運用によって、毎年授与される賞金や運営費がまかなわれています。

アルフレッド・ノーベルが遺した資産が2023年時点で58億スウェーデンクローナに増えたとすると、その資産運用の年平均成長率(年率リターン)を計算することができます。ノーベルが亡くなったのは1896年ですので、運用期間は127年となりますが、年平均で約4.21%の成長率で運用されてきたことになります。

2023年の総資産が58億スウェーデンクローナ(約850億円)で、これが今後も年平均4.21%の収益を生むとすると、年間収益額は2.44億スウェーデンクローナ(約36億円)となります。

一方、毎年ノーベル賞の各受賞者に授与される賞金は1100万スウェーデンクローナ(約1.6億円)で、ノーベル賞には平和賞、文学賞、物理学賞、化学賞、生理学賞、医学賞、経済学賞の7つの賞があり、同じ金額が授与されますから、総額1.6億円X7=11.2億円が毎年支払われていることになります。

整理するとノーベル賞財団は850億円の原資から毎年生み出される収益額36億円の11.2億円、約31%を支払っていることになります。

ノーベル賞財団は資産運用収益の中で、使い切らなかった69%の部分を再投資し、原資をさらに増やしています。この再投資こそが、財団が127年にわたって安定的に活動を続けられてきた理由の一つです。

そして、もうひとつの大きな理由はノーベル財団の資産運用収益に対する課税は、スウェーデン政府によって特別な取り扱いを受けています。

財団設立当初からノーベル賞は国際的な公益事業とみなされ、財団の運営や賞金に必要な収益については課税されない特例が適用されてきました。これは、ノーベル賞の目的である「人類の進歩に貢献する」という理念が高く評価されているからです。

ノーベル財団の資産運用方法についても調べてみました。実はノーベル財団は毎年報告書を公開しており、その中で投資方針や資産配分について説明しています。おおよその構成は次の通りです。

株式(約55~60%)

株式市場は財団の主要な収益源であり、米国株、ヨーロッパ株、アジア株など、地域を分散しています。特に米国株は重要な割合を占めていますが、国際分散が重視されています。

債券(約20~25%)

政府債券や企業債券など、安全性の高い資産に投資しています。低リスク資産としての役割を果たし、安定した収益をもたらします。

オルタナティブ投資(約15~20%)

これには不動産、プライベートエクイティ(未公開株式)、ヘッジファンドなどが含まれます。長期的なリターンを追求するために多様な資産クラスを組み込んでいます。

現金および短期投資(約5%)

流動性を確保するためにノーベル財団は現金や短期の市場性資産も保持しています。

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グランド・ハイアット・ニューヨーク

こちらの写真はニューヨークのグランド・ハイアット・ニューヨークですが、このホテルはトランプがニューヨークの不動産王になったきっかけとなったホテルです。

トランプがニューヨークで不動産王になったきっかけとなるトランプの交渉術についてご紹介したいと思います。

トランプはNYの土地所有者にはNY市、ハイアットと合意がとれている言い、NY市には土地所有者、ハイアットと合意がとれていると言い、ハイアットには土地所有者、NY市と合意が取れていると言い、「グランド・ハイアット・ニューヨーク」を建てることに成功しました。以下に詳しくご説明します。

1970年代、コモドール・ホテルは老朽化し、利用客も減少していました。その土地と建物はペン・セントラル鉄道の一部でしたが、同鉄道は財政破綻していました。その後、信託団体が資産を管理し、ホテルの売却や再開発を検討していました。

トランプは以下の3者と個別に交渉を行いました。

  • ペン・セントラル鉄道の信託団体(土地と建物の所有者)

トランプ氏は、この信託団体からコモドール・ホテルをリースする契約を交渉しました。最終的に長期リース契約を締結し、トランプ氏はホテルの再開発権を得ました。

  • ニューヨーク市(税制優遇措置の提供者)

トランプ氏は再開発のための税制優遇措置をニューヨーク市から獲得しました。彼は、プロジェクトが地域の経済を活性化させ、雇用を創出することを強調し、説得しました。これにより、40年間の固定資産税の減免が認められました。

  • ハイアット・ホテルズ(運営パートナー)

トランプ氏は、高級ホテルの運営ノウハウを持つハイアット・ホテルズとパートナーシップを結びました。この協力関係により、新しいホテル「グランド・ハイアット・ニューヨーク」の開発と運営が可能になりました。

    トランプはこんな内容でそれぞれ交渉を行いました。

    ペン・セントラル鉄道との交渉

    トランプ氏は、信託団体に対し、再開発による地域の価値向上を説得材料としました。

    当時、同鉄道の資産売却は財政問題を抱える組織の立て直しに必要だったため、トランプ氏は有利な条件で交渉を進めました。

    ニューヨーク市との交渉

    トランプ氏は、再開発が市にとって有益であると説得しました。特に、プロジェクトによる雇用創出と税収増加の見込みを示しました。

    税制優遇措置の獲得には批判もありましたが、トランプ氏は市にとっての利益を前面に押し出しました。

    ハイアット・ホテルズとの交渉

    トランプ氏は、自身の不動産開発のビジョンと、マンハッタンにおける高級ホテル市場への参入の魅力を強調しました。

    ハイアットにとってはニューヨーク初進出となるプロジェクトであり、両者にとってウィンウィンの関係が成立しました。

    再開発されたホテルは「グランド・ハイアット・ニューヨーク」として1980年にオープンしました。このプロジェクトは成功を収め、トランプ氏が不動産開発業界での地位を確立する重要なきっかけとなりました。

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      トランプ大統領のユニークな点

      11月5日に行われたアメリカ大統領選挙でトランプが第47代アメリカ大統領に選出されました。

      返り咲きで大統領になるのはグローバー・クリーブランド大統領以来の132年ぶり、二人目ですが、この機会に歴代のアメリカ大統領の中でトランプ大統領がいかにユニークな大統領であるかにつき8点にまとめてみました。

      1. 就任時最高齢の大統領

      バイデン大統領が2021年アメリカ大統領に78歳2か月で就任した時、最高齢の大統領でしたが、トランプは2025年1月20日2期目の大統領就任時には78歳7か月となり、就任時史上最高齢の大統領となります。

      2. WASPでない大統領

      アメリカ大統領の主流はかつてはWASP(ホワイト・アングロ・サクソン・プロテスタント)でした。トランプは白人でプロテスタント信者ですから最初のWと最後のPの2点はカバーししています。しかしA(アングロ族)S(サクソン族)ではなく、ドイツ系ですので正確にはWASPではありません。トランプ大統領の父方の祖父はドイツ生まれのドイツ人です。

      3. 二回の離婚、三回の結婚をした大統領

      トランプ大統領は二回の離婚、三回の結婚をしている唯一の大統領です。歴代アメリカ大統領のうち離婚経験があるのは、トランプ以外では第40代のロナルド・レーガン大統領 1人だけです。 レーガン氏は映画俳優だった28歳のときに、女優のジェーン・ワイマンと結婚して1女をもうけたものの、仕事に対する方向性 の違いから9年間で離婚。その3年後に、前妻と同じ映画女優だったナンシー・デー ビスと再婚しています。歴代大統領のうちトランプ以外では離婚経験者はレーガン氏だけですが、再婚した大統 領は3人います。第10代のジョン・タイラー大統領と第28代のウッドロー・ウィルソン 大統領、そしてバイデン大統領です。いずれも前妻との死別によるもので、タイラー大統領、ウィルソン大統領は任期中、バイデン大統領は若い時に妻に先立たれたあと、 別の女性と再婚しています。

      4.外国人との結婚歴、元外国生まれの奥様を持つ大統領

      トランプ大統領の最初の奥様イバナさんはチェコスロバキア(現在チェコ)出身、三番目の奥様メラニアさんはユーゴスラビア(現在スロベニア)出身の外国人です。外国人と結婚した経歴、そして今も元外国生まれの奥様を持つ唯一のアメリカ大統領です。

      5.公職に就いたことがない大統領

      軍人であった第12代と第18代を除き、トランプは公職についたことがないまま大統領になった唯一の人物です。トランプは2017年に第45代のアメリカ大統領に就任する前、公職に就いたことが全くありませんでした。俳優だったレーガン大統領がいるのではないかと言われる方もいるかもしれませんが、レーガン大統領は大統領になる前、カリフォルニア州知事をしていました。

      6. 2回の弾劾裁判で無罪となった大統領

      トランプ大統領の前に弾劾裁判を受けた大統領は過去に二人いました。一人目は1868年アンドリュー・ジョンソン大統領、二人目は1998年、皆さんもよくご存知のクリントン大統領です。二人とも弾劾裁判で無罪となりました。トランプ大統領も無罪を勝ち取り、2020年の時点でトランプ大統領は弾劾裁判を生き抜き抜いた3人目の大統領となりました。しかも、トランプは弾劾裁判を1度だけでなく、2度も受けています。2度の弾劾裁判を受け、そして無罪を勝ち取ったアメリカ大統領はトランプ以外、かつて一人もいません。

      7.選挙戦中に複数の件で訴えられている大統領候補

      弾劾裁判に加えて、トランプは以下の4つの裁判で訴えられています。これら裁判はアメリカ大統領就任中は審議がストップしますが、複数の件で訴えられたまま大統領選挙で選ばれた候補はいません。

      1)不倫口止め料の不正会計処理

      2)米連邦議会襲撃事件に絡み2020年大統領選の結果を覆そうと画策した事件

      3)大統領時代の機密文書持ち出し

      4)20年大統領選を巡るジョージア州当局への干渉。

      8. 選挙期間中に銃弾を受け、暗殺されなかった大統領候補

      過去に4人の大統領が任期中に銃弾に倒れました。リンカーン大統領は南北戦争を勝利に導いた直後の1865年4月、ワシントンの劇場で観劇中に撃たれました。1881年には、ガーフィールドがワシントンの鉄道駅で狙撃されました。3人目はマッキンリー。1901年に博覧会会場で無政府主義者に命を奪われました。4人目はケネディ。1963年南部テキサス州ダラスでパレード中に銃撃され、死亡しました。暗殺未遂では、1912年に大統領を退任したセオドア・ルーズベルトが、1981年には在職中のレーガンが銃撃を受けましたが、いずれも一命を取り留めました。

      大統領候補への銃弾では、1968年にケネディ氏の実弟ロバート・ケネディ元司法長官が民主党予備選の最中に、西部カリフォルニア州で撃たれ死亡しています。今回、大統領候補としてトランプは銃撃されましたが生き残りました。撃たれた直後にも関わらず、こぶしをあげて、Fight Fight Fightと叫びました。こんな大統領候補は過去にいません。

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      Hope for the best and prepare for the worst.

      Hope for the best and prepare for the worst.

      直訳すると「最善を望み、最悪に備えろ」となりますが、「備えあれば憂いなし」ということわざと同じ意味になります。

      これはアメリやカナダの中華料理店へ行くと、最後のデザートで必ずでてくるフォーチュンクッキーの中に入っていた紙に書かれていたメッセージです。

      毎回どんなメッセージが出てくるか楽しみにしていました。いくつかあったメッセージの中で特に気に入って、良い教えなので、しばらくこのメッセージが書かれた紙を財布にいれて持っていました。今もこのメッセージを忘れずにいます。

      このことわざは『書経』と『春秋左氏伝』という中国の二つの書物が由来だとされています。

      確かそのフォーチュンクッキーの中に入っていた紙にも中国語の訳があったと思います。

      アメリカ合衆国建国の父の1人とも言われるベンジャミン・フランクリンも似たようなメッセージを残しています。それは

      By failing to prepare, you are preparing to fail.

      「準備を怠ることは失敗への準備である」という意味です。

      古今東西、準備は非常に重要なものだと考えられていることがわかります。

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      eureka moment

      Eureka ! (エウレカ !) ピンと来た!

      eureka moment ピンと来た瞬間

      eureka moment は今まで全く出来なかったことや全く理解できなかったことを突然できるようになる瞬間のことです。この言葉はギリシャのアルキメデスの言葉から来ています。

      アルキメデスは風呂に入ると水位があがることを発見し、風呂から飛び出し“Eureka”と2回叫んだそうです。

      eurekaはギリシャ語で、「見つけた」という意味です。

      古代ギリシャでは、偽造された金が流通していました。ギリシアの市場で本物の金のアクセサリーを買おうとして、巧妙な偽造の金のアクセサリーを買わされてしまうということが多発していたそうです。

      ギリシャのシラクサ市に住んでいたアルキメデスはこの問題をどのように解決すればいいのかをずっと考えていました。

      ある日、お風呂に入った時に、彼の体の容積によって、お風呂の水位が上がることに気づきました。

      その瞬間、アルキメデスは偽造の問題が解決できると閃きました。彼は「Eureka!」という「見つけた」を意味する感動詞を叫んで、お風呂から上がって、あまりにも喜んでいて、そのまま裸でシラクサの道を走り回ったそうです。

      アルキメデスは金の重さと容積を量って金であるかどうかを知る方法を最初に思いついた訳です。

      アニメーションや漫画をみると、何か思以前ついた時の上に頭の上に電球が現れますが、このことを light bulb moment と言いますが、この表現は、アニメーションから生まれました。

      初期のアニメで、a great idea(素晴らしいアイデア)という意味で電球が使われるようになり、主人公が素晴らしいアイデアを思いつくと、頭の上に電球が浮かびあがり、それ以降、多くのアニメ小説や映画でよく見られるシーンになりました。

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      Are you comfortable with this idea ?

      comfortable には実は広い意味があります。

      学校で学ぶ 「身体的に心地よい」という意味だけでなく、「精神的に心地よい」という意味があります。

      更には(あるアイデアなどを) 「こころよく受け入れることができる」という意味でも使えます。

      例えばこんな使い方です。

      Are you comfortable with this idea ?


      「こんな案はいかがですか?」

      少し抵抗が予想される提案をする時、ストレートにYES、NOの回答を相手に迫ると思わぬ抵抗にあうことがあります。

      そんな時、この表現を使うことで、ソフトに話しを進めやすくなります。

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