4回目の投稿です。
Silence – 腕を組み、うなる
日本企業の海外現地法人で長く秘書を務め、退社後、大学に戻られ、文化人類学を研究されている方が私がその現地法人に在籍しているときに、私を訪ねて来たことがありました。
目的は日本の企業の海外現地法人での日本人と現地スタッフとのコミュニケーションのとり方についての聞き込み調査でした。彼女が私が勤める会社の海外現地法人に在籍していたのは4年間だったそうですが、彼女の上司だった副社長(日本人)は4年間に一度も彼女にNOと言ったことがないというのです。
私は驚き、そんなことはあり得ない! どうやって副社長はできないことを彼女にNOと伝えていたのか?と聞くと、この副社長は無理だとわかると腕をくんで難しい顔をしてしばらくうなったそうです。
最初は彼女もその意味がよくわからなかったそうですが、途中からその意味がNOとわかったそうです。
彼女は副社長の無言の表現はNOという意味だとわかってからは、業務に支障はなかったそうです。本当ですか?と思われるかもしれませんが、実話です。これは特別なケースではないかもしれませんが。
私たち日本人は英語ではっきりNOを言うことに慣れていないのかもしれません。この副社長の秘書は途中から理解しましたが、初対面の外国人は戸惑うと思います。
先の例にもありましたが、その場でNOと言わない、あるいは先送りすることで相手にNOとわからせるというコミュニケーションの方法は日本人の美徳かもしれませんが、北米でビジネスをやってゆく上では障害になり、改めるべきところではないでしょうか。