アメリカの大きな変化①(Roe v. Wade判決覆る)

2024年度ハーバード大学卒業式で、首席卒業生のシュルティ・クマールさんが「知らないことの力」をテーマにスピーチを行いました。クマールさんは、「知らないこと」を弱点ではなく、成長と共感のための機会と再認識し、不確実な状況の中で開かれた心と他者を理解しようとする姿勢の重要性を強調しました。

ご興味のある方は以下のURLをクリックしてご視聴ください。

このスピーチの中で彼女はアメリカで最近起きている大きな変化①中絶権の廃止、②アファーマティブ・アクションの撤廃を引用しています。

今年1月20日に第二期トランプ政権はスタートしましたが、このクマールさんのスピーチを聞いて改めて思いました。

トランプ大統領の当選を待たずに、実は既にアメリカは民主党のリベラル主義から共和党の保守主義へ移ってきている

ということです。

このブログではこの大きなアメリカでおきているこの2つの変化について、このクマールさんのスピーチの中で引用されているRoe v. WadeとAffirmative Actionという英語を解説いたします。どうぞお付きあいください。

アメリカで起きている大きな変化①

このクマールさんのスピーチの中で引用されているRoe v. Wadeとは一体何でしょうか?

Roe v. Wadeとは1973年にアメリカ合衆国最高裁判所が下した歴史的な判決で、女性の妊娠中絶の権利を合衆国憲法の下で認めたものです。この判決により、中絶が個人のプライバシー権の一部として保護されることが確立され、多くの州で厳しい中絶制限が撤廃されました。

しかし、2022年6月24日、最高裁は「Dobbs v. Jackson Women’s Health Organization」の判決により、Roe v. Wade を覆しました。

これにより、中絶の権利は連邦レベルではなく、各州が独自に規制できるようになりました。この決定の影響で、多くの州で中絶禁止または厳格な制限が導入されました。

中絶の権利は2024年のトランプ対ハリスのPresidential Debateでも討議のひとつとなりました。

ハリスはトランプに対してトランプは中絶の権利反対論者であるという前提で討論をしかけましたが、トランプは中絶の権利は連邦レベルではなく、各州が独自に規制すべきであると2022年の最高裁の判決と同じ立場であることを主張し、討論はそれ以上進みませんでした。

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