ケルト人とは?Part 4 (セント・パトリック・デー、緑の日)

昔、アメリカ出張中にホテルや会社のいたるところに緑の飾りつけがされたことがありました。それは3月でした。

3月17日はセント・パトリック・デーと呼ばれるアイルランド発祥のお祝いイベントであるということを、その時に初めて知りました。

セント・パトリック・デーは今ではアイルランドに加えて、アイルランド系移民の多いアメリカ、カナダ、オーストリアだけではなく、世界各地に広がりましたが、まだ日本では余り知られていないと思います。

世界中のこのイベントの熱狂振りをニュースで見た方もいらっしゃるかもしれません。

セント・パトリック・デーの由来を少し調べてみました。

西暦432年にアイルランドにキリスト教の宣教師が訪れ、カトリックを布教しました。

この宣教師の名前が後に聖人となったセント・パトリックです。ケルト系キリスト教の始祖といわれています。この方の功績を讃えて、制定されたのが3月17日です。

この日はセント・パトリックの命日で、アイルランドでは祝日になっています。

セント・パトリックは461年に他界するまで、アイルランド中を旅しながらキリスト教を広め、各地に修道院・学校・教会を建てました。

もともとセント・パトリックは「セント・パトリック・ブルー」と呼ばれる空色を使って描写されていたそうです。

しかし、アイルランドは緑多い風景から「エメラルド色の島」とも呼ばれていて、このお祭りではアイルランドのシンボルカラーである緑が後に使われる様になったそうです。

アイルランドに敬意を表して、緑を用いているのです。

セント・パトリックス・デーには、いたるところで三つ葉のクローバーをみます。

これは「シャムロック」と呼ばれるアイルランドの国花です。

又、セント・パトリックス・デーでは、緑色の帽子を被っている人をよく見かけます。

この帽子は、アイルランドの伝承に登場する妖精・レプラコーンがかぶっているものです。

もともとケルト人は多神教でしたが、セント・パトリックスによりキリスト教カトリック信徒となりました。

このお祭りはアイルランドに後から入ってきたキリスト教のお祭りであるにも関わらず、お祭りの色はアイルランドの緑、三つ葉のクローバーはアイルランドの国花、そして緑色の帽子はアイルランドの伝承の妖精がかぶっていたものであったというのは大変興味深いです。

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