11月5日に行われたアメリカ大統領選挙でトランプが第47代アメリカ大統領に選出されました。
返り咲きで大統領になるのはグローバー・クリーブランド大統領以来の132年ぶり、二人目ですが、この機会に歴代のアメリカ大統領の中でトランプ大統領がいかにユニークな大統領であるかにつき8点にまとめてみました。
1. 就任時最高齢の大統領
バイデン大統領が2021年にアメリカ大統領に78歳で就任した時、最高齢の大統領でしたがトランプはバイデンの4歳年下ですので、2025年就任時にはバイデンと並ぶ最高齢のアメリカ大統領となります。
2. WASPでない大統領
アメリカ大統領の主流はかつてはWASP(ホワイト・アングロ・サクソン・プロテスタント)でした。トランプは白人でプロテスタント信者ですから最初のWと最後のPの2点はカバーししています。しかしA(アングロ族)S(サクソン族)ではなく、ドイツ系ですので正確にはWASPではありません。トランプ大統領の父方の祖父はドイツ生まれのドイツ人です。
3. 二回の離婚、三回の結婚をした大統領
トランプ大統領は二回の離婚、三回の結婚をしている唯一の大統領です。歴代アメリカ大統領のうち離婚経験があるのは、トランプ以外では第40代のロナルド・レーガン大統領 1人だけです。 レーガン氏は映画俳優だった28歳のときに、女優のジェーン・ワイマンと結婚して1女をもうけたものの、仕事に対する方向性 の違いから9年間で離婚。その3年後に、前妻と同じ映画女優だったナンシー・デー ビスと再婚しています。
歴代大統領のうちトランプ以外では離婚経験者はレーガン氏だけですが、再婚した大統 領は3人います。第10代のジョン・タイラー大統領と第28代のウッドロー・ウィルソン 大統領、そしてバイデン大統領です。いずれも前妻との死別によるもので、タイラー大統領、ウィルソン大統領は任期中、バイデン大統領は若い時に妻に先立たれたあと、 別の女性と再婚しています。
4.外国人との結婚歴、元外国生まれの奥様を持つ大統領
トランプ大統領の最初の奥様イバナさんはチェコスロバキア(現在チェコ)出身、三番目の奥様メラニアさんはユーゴスラビア(現在スロベニア)出身の外国人です。外国人と結婚した経歴、そして今も元外国生まれの奥様を持つ唯一のアメリカ大統領です。
5.公職に就いたことがない大統領
俳優だったレーガン大統領がいるのではないかと言われる方もいるかもしれませんが、レーガン大統領は大統領になる前、カリフォルニア州知事をしていました。トランプは2016年に第45代のアメリカ大統領に就任する前、公職に就いたことが全くありませんでした。
6. 2回の弾劾裁判で無罪となった大統領
トランプ大統領の前に弾劾裁判を受けた大統領は過去に二人いました。一人目は1868年アンドリュー・ジョンソン大統領、二人目は1998年、皆さんもよくご存知のクリントン大統領です。二人とも弾劾裁判で無罪となりました。トランプ大統領も無罪を勝ち取り、2020年の時点でトランプ大統領は弾劾裁判を生き抜き抜いた3人目の大統領となりました。
しかも、トランプは弾劾裁判を1度だけでなく、2度も受けています。2度の弾劾裁判を受け、そして無罪を勝ち取ったアメリカ大統領はトランプ以外、かつて一人もいません。
7.選挙戦中に複数の件で訴えられている大統領候補
弾劾裁判に加えて、トランプは以下の4つの裁判で訴えられています。これら裁判はアメリカ大統領就任中は審議がストップしますが、複数の件で訴えられたまま大統領選挙で選ばれた候補はいません。
1)不倫口止め料の不正会計処理
2)米連邦議会襲撃事件に絡み2020年大統領選の結果を覆そうと画策した事件
3)大統領時代の機密文書持ち出し
4)20年大統領選を巡るジョージア州当局への干渉。
8. 選挙期間中に銃弾を受け、暗殺されなかった大統領候補
リンカーン大統領は南北戦争を勝利に導いた直後の1865年4月、ワシントンの劇場で観劇中に撃たれました。
1881年には、ガーフィールドがワシントンの鉄道駅で狙撃されました。3人目はマッキンリーで、1901年に博覧会会場で無政府主義者に命を奪われました。
1963年にはケネディが南部テキサス州ダラスでパレード中に銃撃され、死亡しました。
暗殺未遂では、1912年に大統領を退任したセオドア・ルーズベルトが、1981年には在職中のレーガンが銃撃を受けましたが、いずれも一命を取り留めました。
大統領候補への銃弾では、1968年にケネディ氏の実弟ロバート・ケネディ元司法長官が民主党予備選の最中に、西部カリフォルニア州で撃たれ死亡しています。
今回、大統領候補としてトランプは銃撃されましたが生き残りました。撃たれた直後にも関わらず、この写真にある通り、こぶしをあげて、Fight Fight Fightと叫びました。こんな大統領候補は過去にいません。
トランプ大統領を生んだアメリ社会には、投票所に行かない日本人有権者たちに対してと同様に、強い懸念があります。