日本とフランスの歯の文化の違い

若い方はご存知ないかもしれませんが、昔レナウンのコマーシャルで採用され、日本でも大変人気のあったシルヴィー・ヴァルタンというフランスの歌手がいました。この写真の女性です。

外国では歯並びの悪い人は幼少期から歯の矯正をします。日本では八重歯 (英語ではDouble tooth, Vampire toothと言います)は可愛いと言われ高い評価を受けますが、海外ではドラキュラを連想させてしまう様です。

しかし、何故か八重歯同様、歯並びが悪いはずのすきっ歯 (英語ではEmpty tooth. A gap between teethと言います) だけは矯正されずにむしろ高く評価され、フランスの高級ブランドのシャネルの人気モデルがすきっ歯だったりします。

ご覧の通り、シルヴィー・ヴァルタンもすきっ歯でした。

フランスだけでなく、アメリカでもマドンナ、アーノルド・シュワルツェネッカーを始めとして人気女優、人気男優にすきっ歯がいますが、何故か矯正しません。

どうしてでしょうか?

フランス語ですきっ歯はDents du bonheur (ダン ドゥ ボヌール 幸運の歯)などと呼ばれ、歯の隙間から幸運が入ってくると言われ非常に肯定的に捉えられているからだそうです。そして、フランス以外アメリカでも高く評価されています。

その由来は、ナポレオン戦争の時代までさかのぼります。兵隊は銃を両手で持ったまま、火薬を補充する紙袋を前歯で上手く切らねばならず、すきっ歯の人間はそれに適さないとして除隊になり戦場にいくことを免れたことがあったそうです。

日本の八重歯、フランスのすきっ歯、いずれもその国独自の美意識の現れですが、どうもインターナショナルにはすきっ歯の方が八重歯よりもずっと高い評価を得ているようです。

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